児童養護施設出身の芸能人・有名人は?入所理由や生い立ち・活動まとめ

児童養護施設について

児童養護施設出身者は日本の子どもの約0.1%程度と言われてるので、芸能界でも少数です。

しかし近年では児童養護施設出身であることを公表する方が増えてきており、社会的な理解や支援の輪が広がりつつあります。

ここでは、児童養護施設で育った芸能人や有名人を紹介し、その生い立ちや入所理由について詳しく見ていきます。

うらこ

生後から児童養護施設で育った私のコメントも入れていきます!

児童養護施設出身の芸能人・有名人一覧

やす子(お笑い芸人)

引用元:MEETS CAREER

やす子さんは、引っ張りだこの人気お笑い芸人さんです。彼女の笑顔と明るいキャラクターは、多くのファンを魅了しています。

以前からも公表はしていましたが、2024年の24時間テレビで改めて児童養護施設の出身であることを公表しました。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

やす子さんは幼少期に両親が離婚し母子家庭で育ったのちに、中学生から児童養護施設に一時保護されるように。高校生から児童養護施設に入所し、措置解除となる18歳まで過ごしたあと、衣食住がある環境を求めて自衛隊へ入隊しました。

うらこ

生後すぐから施設で育った私とは違い、高校生から入所となるとこれまでとの生活の違いに戸惑いも大きかったでしょう。

自衛隊から芸人に転身し、大きな人気を獲得して施設を公表されたその強さを尊敬します。

古原靖久(俳優)

古原靖久(ふるはらやすひさ)さんはテレビドラマ『野ブタ。をプロデュース』で俳優デビューし、『花ざかりの君たちへ〜イケメンパラダイス〜』やスーパー戦隊シリーズ『炎神戦隊ゴーオンジャー』に出演・活躍している俳優です。

24時間テレビではやす子さんの激励に駆けつけたこともあり、知名度を上げた俳優さんではないでしょうか。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

古原さんの母親は16歳で出産し、19歳(古原さんが3歳の頃)に離婚。小学校の入学前から児童養護施設に入所し、以降措置解除となる18歳までを施設で過ごしました。

施設での思い出はあまり良くなく、職員や子どもに理不尽な思いをさせられていたこともあったそうです。

施設退所後はスカウトされていた芸能事務所に入り、俳優人生をスタートします。

うらこ

若くして子どもを産んで育てられない親はあるあるで、施設内でのトラブルも正直あります。

やす子さんが感謝を全面に出す分、古原さんのリアルな経験は貴重です。

川嶋あい(シンガーソングライター)

引用元:川嶋あい

川嶋あいさんは、卒業式のテーマソングとしても王道の「旅立ちの日に…」などのヒット曲で知られるシンガーソングライターです。彼女の歌声は、多くの人々の心に響いています。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

川嶋あいさんは、生後すぐに乳児院に預けられ、3歳の時に児童養護施設に入所後、里親制度によって新たな家族と出会い養子縁組を結びました。

中学生の頃に自分の出生を知るまで実親だと思っていたため大きなショックを受けましたが、変わらず愛情を持ってくれた家族のもとで暮らし、音楽活動をスタートさせます。

うらこ

川嶋あいさんの世代では珍しいですが、近年は児童養護施設ではなく里親制度など「実際の家庭」のもとで育つことが推奨されています。

ただ、自分の出自を知ることの権利やショックもあるのは事実ですね…

仲川遥香(タレント、元JKT48)

仲川遥香さんは、元AKB48のメンバーで、後にJKT48のメンバーとしてインドネシアで活躍しました。現在はタレントとして幅広く活動しています。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

仲川遥香さんは、3歳の頃に両親が離婚。4人兄弟の親権を父親が持ちましたが、祖母に育てられることになります。お金を借りる生活が続き、仲川さんが8歳の頃に祖母の入院がきっかけとなり、児童養護施設に入所します。

措置解除となる18歳から、オーディションに合格したAKBでアイドル活動を開始しましたが、当初は施設出身であることを隠し、家族のエピソードを詐称していたことを告白しました。

うらこ

施設出身を隠すというのは割とあるあるです。「施設育ちだから〜」と偏見のイメージを持たれたくなかったり、何気ない話の中で突然盛り下げたくなかったり。
私も地元を出てからは周囲に嘘をついていました。

藤沢とおる(漫画家)

引用元:藤沢とおる

藤沢とおるさんは、「GTO」や「湘南純愛組!」などの人気漫画で知られる漫画家です。GTOの連載終了後、『GTO SHONAN 14DAYS』という漫画でも児童養護施設を舞台にし、子供たちとのエピソードも織り交ぜています。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

両親の別居を機に、小学3年生〜6年生までを児童自立支援施設、中学卒業までを児童養護施設で育っています。中学卒業後は母親と暮らすため施設を退所し、その後上京して漫画家となりました。

全国の児童養護施設を個別に取材、訪問活動も行っており、虐待で入所する子どもの数の多さに驚かれていました。

うらこ

児童自立支援施設は不良行為の恐れがある児童が入所する施設ですが、その生い立ちや経験が「GTO」に反映されているのだろうと思います。
警察にお世話になる非行少年・少女がお世話になることが多いですが、児童養護施設で規律を乱す子どもが移ることもあります。

宗次徳二(カレーハウスCoCo壱番屋創業者)

引用元:宗次徳二

宗次徳二(むねつぐ とくじ)さんは、国内に1250店舗、海外に210店舗(2023年1月時点)を構えるカレーハウスCoCo壱番屋の創業者として知られる実業家です。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

宗次徳二さんは結婚をしていない男女の間に生まれてまもなく孤児院(現在の児童養護施設)に預けられました。

3歳の時に、雑貨商を営む宗次福松・清子夫妻の養子となり孤児院を出ましたが、養父がギャンブルに財産を使ってしまった挙句に養母に暴力を振るったことで離婚し、養父と暮らすことになります。

15歳で本当の親子でないことを知った後、養父の死をきっかけに養母と暮らし始め、高校卒業後に不動産営業、喫茶店の経営を経て、カレーハウスCoCo壱番屋を創業しました。

ココイチはCSRの一環としても児童養護施設や母子支援施設などに現在でも寄付・寄贈を行っています。

うらこ

実際に引き取られた後の里親・養子縁組のトラブルは実際にあります。宗次さんの時代では縁組の解消という手段はあまり無かったかもしれませんが、今の時代では大問題ですね…。
ここまで大きな会社を作るなんて素晴らしい手腕ですよね。

THREE FLAGS(YouTuber)

引用元:BUSINESS INSIDER

児童養護施設出身の3人で構成されたユニットです。

2019年に結成され、YouTubeチャンネル「THREE FLAGS -希望の狼煙(のろし)-」を通じて、社会的養護に関する情報発信や支援に関わる人へのインタビュー動画を定期的に公開しています。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

  1. ブローハン聡 (BRO)さん:タレント、モデルとして活動。
    4歳から実父の虐待を受け、11歳から18歳までを児童養護施設で過ごしました。
  2. 西坂来人 (ライト)さん:映像作家として活動。
    実父からの暴力から逃れるために小学5~6年生の2年間を児童養護施設で育ち、その後は母親と暮らすために退所しています。
  3. 山本昌子 (まこ):さん:保育士の資格を持ち、現在はフリーランスで講演活動を行っています。
    生後まもなく乳児院に入所し、18歳までを児童養護施設で過ごしました。
うらこ

こうした当事者が実際に声を上げること、実情を話すこと自体が勇気のいることで、問題に向き合い続けるには相当な気力が必要なので尊敬しています。
もう自分の過去のことを振り返りたくない気持ちが強いので、私もこのサイトを立ち上げるまで時間を要しました。

田中れいか(モデル)

田中れいかさんは、1995年12月4日生まれの社会運動家、モデルです。社会的養護を学ぶための情報サイト「たすけあい」やYouTubeチャンネル「社会的養護専門 たすけあいch / 田中れいか」、著書『児童養護施設という私のおうち』(旬報社)を出版しています。

生い立ち・児童養護施設の入所理由

田中れいかさんが小学1年生の頃に両親が離婚し、実親が暴力や叱責を繰り返すことを見かねて交番に駆け込み保護され、児童養護施設に入所。措置解除となる高校卒業の18歳まで世田谷区の「福音寮」で過ごしました。
バイトで貯めたお金で短大に自力進学を果たし、支援団体から経済的支援を受けながら卒業し、ミス・ユニバース準優勝をきっかけにモデルや児童養護施設を知ってもらう活動を始めました。

うらこ

私と年齢が近いのもあって、高校卒業後の進学の苦しさや18歳の壁は凄く共感しました。その経験がありながらも、収入が不安定なモデル活動を諦めきれず足を踏み入れた勇気が素晴らしいです…

まとめ

本記事では、児童養護施設出身の芸能人や有名人について紹介しました。紹介した人たちはあくまで一例であり、公表していない方や紹介しきれなかった人はたくさんいるかと思います。

立派な活動の裏にはたくさんの苦悩や経験をされてきていて、記事を書いている私の背筋が伸びる思いでした。

そして忘れてほしくないのは、こうした活動を行えるパワーがある人たちだからこそで、児童養護施設の子どもたちが全員同じようなパワーを持っているとは限りません。

今回24時間テレビをきっかけに知った人が多いと思いますし、これをきっかけに適切な支援や議論が進めばよいな、と思います。