様々な事情により、子どもを児童養護施設に預けることを検討されている方へ。「どうすれば預けられるの?」「費用はいくらかかる?」「どこに相談すればいい?」といった不安や疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、児童養護施設への入所条件、具体的な手続きの流れ、費用、相談窓口、そして代替となる支援サービスまで、2025年最新の情報をもとに詳しく解説します。
【最初に確認】預けたい期間と緊急度を明確にしましょう

児童養護施設への入所を考える前に、まず「緊急性の高さ」と「預けたい期間」を整理することが大切です。状況によって、適切な相談先や利用できるサービスが異なります。
すぐに対応が必要な緊急のケース
命の危険がある・虐待が疑われる場合
以下のような緊急性の高い状況では、今すぐ専門機関に連絡してください。
緊急性の高い状況の例
- 子どもに対する暴力・虐待が行われている
- 育児放棄(ネグレクト)により子どもの命に危険がある
- 保護者が急な事故・病気で倒れ、子どもの世話ができる人がいない
- 保護者の精神状態が不安定で子どもの安全が保てない
- 家庭内暴力(DV)により子どもも危険にさらされている
緊急連絡先一覧

緊急時の連絡先(24時間365日対応)
| 連絡先 | 電話番号 | 対応内容 |
|---|---|---|
| 児童相談所虐待対応ダイヤル | 189(いちはやく) | お近くの児童相談所につながります 虐待の通報・相談(匿名可) 通話料無料 |
| 警察 | 110 | 緊急の事件・事故 命の危険がある場合 |
| 児童相談所相談専用ダイヤル | 0120-189-783 (いちはやく・おなやみを) | 育児、里親、子どもの福祉に関する相談 通話料無料 |
※参考:児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について(こども家庭庁)
時間的余裕があるケース(通常の相談)
緊急性は高くないものの、将来的に児童養護施設の利用を検討している場合は、以下のような選択肢があります。
短期利用を検討する場合(1週間以内)
短期利用が適しているケース
- 保護者の入院や通院(数日~1週間程度)
- 出産による入院
- 冠婚葬祭での外出
- 育児疲れ・育児不安による休養
- 出張や仕事の都合
→ 子育て短期支援事業(ショートステイ)を利用
申込から利用まで:最短3日~1週間程度
長期入所を検討する場合(数か月以上)
長期入所が必要なケース
- 経済的困窮により養育が困難
- 保護者の長期入院・療養
- 保護者の精神疾患
- 虐待・育児放棄
- 養育拒否
- 子どもとの関係性の問題
→ 児童相談所による措置入所
相談から入所まで:通常1~3か月程度
それぞれにかかる期間の目安
| 利用種別 | 申込から利用まで | 利用可能期間 |
|---|---|---|
| 短期(ショートステイ) | 3日~1週間 | 原則7日以内 (最長2か月まで延長可能な場合も) |
| 長期入所 | 1~3か月 | 18歳まで (必要に応じて20歳まで延長可能) |
| 緊急保護 | 即日~数日 | 状況により判断 |
預けたい期間別|児童養護施設の利用方法
1週間以内の短期利用:子育て短期支援事業(ショートステイ)
子育て短期支援事業とは
子育て短期支援事業は、保護者が疾病や仕事、育児疲れなどの理由により、一時的に家庭での養育が困難になった場合に、児童養護施設や乳児院などで子どもを預かる制度です。
令和6年度からこども家庭庁により事業が拡充され、親子入所等支援、入所希望児童支援、専用人員配置支援などが新たに追加されています。
出典:子育て短期支援事業について(こども家庭庁)
利用できる主な理由
子育て短期支援事業を利用できる理由
| 理由の分類 | 具体例 |
|---|---|
| 保護者の疾病 | ・入院、通院、手術 ・療養が必要な場合 |
| 心身の事由 | ・育児疲れ、育児不安 ・産後うつ ・慢性疾患児の看病疲れ |
| 家庭養育上の事由 | ・出産(出産前後の入院) ・看護、事故、災害 ・家族の失踪 |
| 社会的な事由 | ・冠婚葬祭 ・転勤、就労(出張・残業等) ・学校等の公的行事への参加 |
| その他 | ・育児不安や過干渉により、児童自身が一時的に保護者と離れることを希望する場合 |
利用期間と延長について
原則として7日以内(6泊7日)の利用となります。ただし、やむを得ない事情がある場合は、自治体の判断により最長2か月程度まで延長できることもあります。
また、月あたりの利用日数制限がある自治体もあります(例:月14日以内など)。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
申込から利用までにかかる期間
通常、利用希望日の3日~7日前までに申請が必要です。ただし、自治体によっては「一般ショートステイ」と「緊急ショートステイ」に分かれており、緊急の場合は前日や当日でも対応可能なケースがあります。
申請のタイミング(自治体により異なる)
- 一般ショートステイ:利用希望日の前月1日~3日前まで
- 緊急ショートステイ:利用希望日の2日前~前日まで(当日対応可能な場合も)
※施設の空き状況により、希望日に利用できない場合があります
利用手続きの流れ
ショートステイ利用の手順
- STEP1市区町村の窓口に相談
お住まいの市区町村の子ども家庭支援課、児童福祉担当窓口、または子ども家庭センターに電話または来所で相談します。
主な窓口名:「子ども家庭支援センター」「こども家庭課」「児童福祉課」など(自治体により名称が異なります)
- STEP2事前登録
「子育て短期支援事業利用登録申請書」を提出し、事前登録を行います。
必要書類:
- 登録申請書
- 本人確認書類(保護者)
- 健康保険証(児童)
- 所得証明書類(市民税課税証明書など)
- その他、自治体が指定する書類
※自治体によっては年1回の登録更新が必要です
- STEP3利用申請
利用希望日の数日前(自治体により異なる)までに、「子育て短期支援事業利用申請書」を提出します。
利用理由、希望日時、緊急連絡先などを記入します。
- STEP4施設の空き確認
自治体が協力施設と連絡を取り、受け入れ可能か確認します。
空きがあれば利用決定の連絡が来ます。
- STEP5施設との面接
初めて利用する場合は、事前に施設で面接を行います。
子どもの様子、アレルギー、持病、生活習慣などを伝えます。
- STEP6利用開始
指定された日時に子どもを施設に預けます。
送迎サービスがある自治体もあります(別途料金が必要な場合あり)。
利用料金の目安
利用料金は、世帯の所得(住民税額)に応じて決定されます。自治体により金額が異なりますので、詳細はお住まいの市区町村にお問い合わせください。
利用料金の目安(1日あたり)
| 世帯区分 | 料金の目安 |
|---|---|
| 生活保護世帯 | 無料 |
| 住民税非課税世帯 | 無料~1,000円程度 |
| 住民税均等割のみ課税世帯 | 1,000円~2,000円程度 |
| 住民税所得割課税世帯 | 2,000円~6,000円程度 |
7日間利用した場合の費用例:
- 生活保護世帯:0円
- 住民税非課税世帯:0円~7,000円
- 一般世帯:14,000円~42,000円
※送迎サービスを利用する場合は、別途500円~1,000円程度(片道)の費用がかかります
※食費や日用品費は利用料に含まれています
トワイライトステイ(夜間養護等事業)について
ショートステイとは別に、平日の夜間や休日のみ子どもを預かる「トワイライトステイ」というサービスもあります。
トワイライトステイの特徴
- 利用時間:平日の夕方~夜間(例:17時~22時)、または休日の日中
- 利用理由:保護者の仕事(残業、休日出勤など)により不在となる場合
- 宿泊:可能な施設もあります
- 料金:1回300円~1,500円程度(所得に応じて)
※実施していない自治体もありますので、詳細はお住まいの市区町村にお問い合わせください
長期的な入所:児童相談所による措置入所
長期入所が必要なケースとは
以下のような、短期間では解決できない理由がある場合は、児童養護施設への長期入所を検討できます。
長期入所が必要なケースの例
- 経済的困窮:破産、失業などにより養育が困難
- 保護者の疾病:長期入院、重度の精神疾患、障がいなど
- 虐待:身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待
- 養育拒否:保護者が養育を拒否している
- 放任・怠だ:育児放棄、適切な養育が行われていない
- 保護者の拘禁:刑務所への服役など
- 保護者の行方不明・死亡:養育者がいない状態
- その他:家庭環境上、養護が必要と認められる場合
入所までの流れ(詳細タイムライン)

長期入所の手続き(標準的な流れ)
- STEP1児童相談所に相談(即日~1週間)
お近くの児童相談所、または児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783(いちはやく・おなやみを)」に相談します(通話料無料)。
相談内容:家庭状況、経済状況、子どもの様子、困っていることなど
※電話相談後、来所相談の日程を調整します
- STEP2初回面接・受理(1~2週間)
児童相談所で児童福祉司と面接を行います。
詳しい家庭状況、養育の困難さ、子どもの状態などを聞き取ります。
相談内容が受理されると、正式な調査が開始されます。
- STEP3家庭訪問・調査(2~4週間)
児童福祉司が家庭訪問し、以下の調査を行います:
- 家庭環境の確認(住居の状況、生活状況)
- 保護者の状況(健康状態、就労状況、養育能力)
- 子どもの様子(発達状況、心身の状態)
- 親子関係の観察
- 親族や地域の支援状況
※複数回の訪問が行われることもあります
- STEP4心理判定・医学診断(必要に応じて)
必要に応じて、以下の専門的な診断が行われます:
- 心理判定:児童心理司による知能検査、性格検査など
- 医学診断:医師による健康診断、発達診断など
※児童相談所内で実施(無料)
- STEP5一時保護(必要な場合)
緊急性が高い場合や、より詳しい調査・観察が必要な場合は、児童相談所の一時保護所で子どもを保護します。
一時保護期間:通常2週間~2か月程度
※一時保護中も、子どもの様子を観察し、今後の方針を検討します
- STEP6総合的な判断・会議(4~8週間目)
調査・判定結果をもとに、児童相談所内で「援助方針会議」を開催します。
参加者:児童福祉司、児童心理司、医師、所長などの専門職
検討内容:
- 児童養護施設への入所が適切か
- 在宅支援で対応可能か
- 里親委託の方が適切か
- その他の支援方法はないか
- STEP7保護者への説明・同意(8~12週間目)
入所措置が適切と判断された場合、保護者に対して:
- 調査結果の説明
- 入所が必要な理由の説明
- 今後の支援計画の説明
を行い、保護者の同意を得ます(原則)。
※児童の生命や安全に関わる緊急の場合は、保護者の同意なしに措置することもあります(職権保護)
- STEP8施設の選定・調整
子どもの年齢、性別、特性、地域などを考慮して、適切な施設を選定します。
施設と受け入れの調整を行います。
- STEP9入所(相談から1~3か月後)
措置決定後、児童養護施設への入所となります。
入所時には、施設職員と面談し、子どもの生活習慣、健康状態、学校のことなどを詳しく伝えます。
入所にかかる期間:通常1~3か月程度
上記の流れからわかるように、長期入所の場合、相談から実際の入所まで通常1~3か月程度かかります。
期間の目安
| ケース | 期間 |
|---|---|
| 緊急保護が必要な場合 | 即日~数日 |
| 標準的なケース | 1~3か月 |
| 調査に時間を要するケース | 3~6か月 |
| 保護者の同意が得られない場合 | さらに長期化することも |
なぜ時間がかかるのか?(調査の必要性)
児童養護施設への長期入所には時間がかかりますが、これには重要な理由があります。
調査に時間をかける理由
- 子どもの最善の利益を守るため家庭から離れることは子どもにとって大きな影響があります。本当に入所が必要か、他の支援方法はないか、慎重に検討する必要があります。
- 適切な支援を提供するため子どもの発達状況、心理状態、健康状態を正確に把握し、最適な施設や支援方法を選ぶ必要があります。
- 家庭復帰の可能性を探るため施設入所は永続的なものではありません。家庭に戻れる可能性や、必要な支援を見極めるために調査が必要です。
- 法的な手続きを踏むため児童福祉法に基づく措置であり、適切な手続きと記録が求められます。
待機中にできること・利用できる支援
入所措置が決定するまでの間、以下のような支援を利用できる場合があります。
待機中に利用できる支援
- 子育て短期支援事業(ショートステイ):一時的な預かり
- 一時保護:緊急性が高い場合
- 生活保護:経済的困窮の場合
- 母子生活支援施設:母子世帯の場合
- ファミリー・サポート・センター:短時間の預かり
- 子育て支援サービス:訪問支援、育児相談など
- 食料支援:フードバンク、こども食堂など
児童福祉司と相談しながら、適切な支援を組み合わせて利用しましょう。
保護者の同意について
児童養護施設への入所措置は、原則として保護者の同意が必要です。しかし、以下の場合は保護者の同意がなくても措置できます。
保護者の同意が不要なケース
- 児童虐待が行われており、保護者の同意を得ることが困難または不適切な場合
- 保護者が行方不明で連絡が取れない場合
- 保護者の精神状態により同意能力がないと判断される場合
- 児童の生命・身体の安全を守るために緊急の措置が必要な場合
このような場合、児童相談所長の権限により「職権保護」が行われます。
【実例紹介】実際に児童養護施設に預けることになったケース
ここでは、実際に児童養護施設や子育て短期支援事業を利用することになったケースを紹介します。
※以下の事例は、個人情報保護の観点から、複数のケースを組み合わせて再構成した架空の事例です。
ケース1:母親の急な入院で短期利用(ショートステイ)
家族構成と状況
- 家族構成:母親(35歳)、長女(8歳・小学2年生)、次女(5歳・保育園年中)
- 世帯状況:ひとり親世帯、年収250万円(パート勤務)
- 困っていたこと:母親が急性虫垂炎で緊急入院が必要に。祖父母は遠方で頼れず、子どもたちの世話ができる人がいない
申込から利用開始まで:3日
利用までの流れ
- 1日目(月曜)病院で診断、緊急入院決定
夕方、腹痛で救急外来を受診。急性虫垂炎と診断され、翌日手術の予定。入院期間は1週間程度と説明される。
病院から市の子ども家庭支援センターに相談するよう勧められる。
- 1日目夜子ども家庭支援センターに電話相談
センターの担当者から、子育て短期支援事業(ショートステイ)が利用できることを教えてもらう。
過去に利用登録をしていたため、すぐに利用申請の手続きに進める。
- 2日目(火曜)利用申請・施設の空き確認
午前中に利用申請書を提出(メールで送信)。
午後、センターから連絡。協力施設に空きがあり、水曜日から利用可能と連絡を受ける。
- 3日目(水曜)利用開始
朝、母親の友人が子どもたちを施設まで送り届ける。
施設職員と面談し、子どもたちの生活習慣、アレルギーの有無などを伝える。
母親は手術を受ける(無事成功)。
- 10日目(翌週水曜)利用終了・退院
母親が退院し、子どもたちを施設に迎えに行く。
7泊8日の利用。
かかった費用
利用料金:0円(住民税非課税世帯のため免除)
送迎:友人に依頼したため0円
利用後の状況

急な入院で本当に困りましたが、ショートステイがあって助かりました。子どもたちも「施設の先生たちが優しかった」と言っていて安心しました。
退院後も体調が完全には戻らず、月に1回ペースでショートステイを利用させてもらっています。無理せず休養できるので、とても助かっています。
ケース2:経済的困窮により長期入所
家族構成と状況
- 家族構成:父親(42歳)、母親(39歳)、長男(14歳・中学2年生)、長女(11歳・小学5年生)
- 世帯状況:父親が経営していた会社が倒産。多額の借金を抱え、生活保護を申請中
- 住居:持ち家を手放し、親族の家に一時的に居候
- 困っていたこと:両親とも精神的に不安定。子どもたちの食事や学校の準備が十分にできていない。借金の取り立てもあり、子どもたちが不安定な環境にいる
相談から入所まで:2か月
入所までの経緯
- 1週目学校から児童相談所に連絡
長男の担任教師が、子どもの様子の変化(遅刻が増えた、忘れ物が多い、元気がない)に気づき、学校から児童相談所に相談。
- 2週目児童相談所が家庭訪問
児童福祉司が家庭訪問し、両親と面談。家庭状況を詳しく聞き取る。
父親は失業後うつ状態、母親も精神的に追い詰められている様子。
子どもたちは不安そうだが、両親を気遣って我慢している様子が見られる。
- 3~4週目複数回の面談・調査
児童福祉司が複数回訪問し、状況を詳しく調査。
生活保護の申請状況、親族からの支援の可能性、両親の精神状態などを確認。
児童心理司が子どもたちと面談し、心理状態を評価。
- 5週目援助方針会議
児童相談所内で援助方針会議を開催。
検討の結果:
- 両親が生活を立て直すまで、一時的に子どもたちを施設で保護することが適切
- 両親への支援も並行して行う(就労支援、精神保健相談など)
- 半年~1年後の家庭復帰を目標とする
- 6週目両親への説明・同意
児童福祉司が両親に調査結果と今後の方針を説明。
当初、父親は「自分たちで何とかする」と抵抗したが、「子どもたちのため」「一時的なもの」「家庭復帰を目指す」という説明に、最終的に同意。
- 7~8週目施設の選定・調整
子どもたちの学校を変えずに通える範囲で施設を探す。
兄妹が同じ施設に入所できる施設を選定(小規模グループホーム)。
- 9週目入所
児童養護施設への入所。
学校はそのまま継続。週末は両親と面会。
その間に利用した支援
- 生活保護:申請が認められ、最低限の生活費を確保
- 就労支援:ハローワークで就職活動の支援
- 精神保健相談:保健所で父親のメンタルケア
- 社会福祉協議会の支援:家計相談、生活支援
入所後の生活と家族との関係
入所から6か月後:
- 父親が再就職に成功(契約社員)
- 両親が小さなアパートを借りる
- 生活が徐々に安定してきた
- 週末は両親と外出したり、アパートに泊まったりする
入所から1年後:
- 両親の生活が安定
- 家庭復帰に向けて準備開始
- 児童相談所と連携しながら、段階的に家庭での生活時間を増やす
入所から1年3か月後:
- 家庭復帰(措置解除)
- 児童相談所の定期的な見守りは継続

最初は「子どもを取られる」と思って抵抗しましたが、今思えば、あの時施設に預けたことで、私たち夫婦も冷静になって生活を立て直すことができました。子どもたちも施設で安定した生活を送れたことで、精神的に落ち着いたと思います。
かかった費用
入所費用:0円(生活保護世帯のため全額免除)
ケース3:育児疲れ・産後うつで短期利用を繰り返し
家族構成と状況
- 家族構成:母親(30歳)、長男(3歳)、次男(生後6か月)
- 世帯状況:夫は長期出張中(半年間)、実家は新幹線で4時間の距離
- 困っていたこと:産後うつと診断され、長男の育児と乳児の世話で精神的・肉体的に限界。夫は仕事で帰れず、相談できる人がいない
支援を受けるまでの経緯
利用開始までの流れ
- きっかけ保健師の訪問
産後2か月の乳児健診で、母親の様子を心配した保健師が家庭訪問。
母親は涙を流しながら「もう無理です」と訴える。
エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)の結果、産後うつの可能性が高いと判断。
- 1週目精神科受診・診断
保健師の勧めで精神科を受診。産後うつと診断される。
医師から「休養が必要」と説明を受ける。
- 2週目子育て短期支援事業の紹介
保健師から、子育て短期支援事業(ショートステイ)を紹介される。
「育児疲れ」も利用理由として認められることを知る。
市の子ども家庭支援センターに連絡し、利用登録を行う。
- 3週目初回利用
長男を3泊4日預ける。
その間、母親は休養に専念。次男の世話だけに集中できることで、少し心が軽くなる。
制度利用の効果
その後、母親は月に1回のペースで3~4日間、長男をショートステイに預けるようになりました。
- 3か月後:母親の精神状態が徐々に改善。「預けることに罪悪感があったけど、休むことも大切だと思えるようになった」
- 6か月後:夫が出張から戻る。家族で協力して育児ができるようになり、ショートステイの利用頻度が減る
- 1年後:産後うつが寛解。ショートステイは必要に応じて年に数回利用する程度に

最初は「母親失格だ」と自分を責めていましたが、保健師さんが「休むことも育児のうち」と言ってくれて救われました。
ショートステイを利用することで、心に余裕ができて、長男にも優しく接することができるようになりました。今は「頼っていいんだ」と思えます。
かかった費用
1回あたり(3泊4日):約8,000円(所得に応じた負担額)
6か月間で計6回利用:合計約48,000円
ケース4:ひとり親で仕事と育児の両立が困難
家族構成と状況
- 家族構成:母親(33歳)、長女(9歳・小学3年生)、次女(6歳・小学1年生)
- 世帯状況:離婚後、年収280万円(飲食店でシフト勤務)
- 住居:賃貸アパート、祖父母は飛行機の距離で頼れない
- 困っていたこと:シフト勤務で夜間・休日出勤あり。学童保育は18時まで。延長保育を使っても間に合わないことがある。子どもだけで留守番させることが増え、不安
相談から支援利用まで:1か月
支援につながるまで
- きっかけ学校からの連絡
長女が学校で「お母さんが夜遅くまで帰ってこない」と担任に話す。
担任が母親に連絡し、状況を聞く。担任から「市の子育て支援課に相談してみては」と勧められる。
- 1週目市の子育て支援課に相談
母親が市役所の子育て支援課に電話相談。
担当者から、以下の支援サービスを紹介される:
- ファミリー・サポート・センター
- 子育て短期支援事業(ショートステイ)
- 児童相談所への相談
- 2週目児童相談所に相談
念のため児童相談所にも相談。児童福祉司と面談。
家庭状況を詳しく聞き取り、「現時点では施設入所ではなく、地域の支援サービスを組み合わせて対応することをおすすめします」とアドバイスを受ける。
- 3~4週目支援サービスの登録・利用開始
ファミリー・サポート・センター:会員登録し、提供会員とマッチング。夜間の預かりを依頼できるようになる。
ショートステイ:利用登録を完了。月に1~2回、休日出勤の際に利用する計画。
最終的に選んだ支援(ショートステイ+ファミサポ)
母親は以下のように複数の支援を組み合わせて利用することにしました。
| 状況 | 利用する支援 |
|---|---|
| 平日の夜間勤務 (18時~22時) | ファミリー・サポート・センター 提供会員が学童保育から自宅まで送り、母親が帰るまで預かる |
| 休日出勤 (終日) | 子育て短期支援事業(ショートステイ) 1泊2日で預ける |
| 短時間の延長 | 学童保育の延長保育(19時まで) |
施設入所を回避できた理由
- 母親に養育の意思と能力があった
- 収入は低いものの、安定した就労がある
- 地域の支援サービスを組み合わせることで対応可能と判断された
- 子どもたちも母親と暮らすことを望んでいた
- 母親が積極的に支援を求め、協力的だった

「施設に預けないといけないのかも」と不安でしたが、児童相談所の方が「お母さんは十分頑張っている。利用できる支援を使いましょう」と言ってくれて、気持ちが楽になりました。
ファミサポの方も本当に優しくて、子どもたちも「〇〇さんのお家、楽しい!」と言っています。一人で抱え込まずに相談してよかったです。
かかった費用
ファミリー・サポート・センター:1時間700円×週2回×4時間=月約22,400円
ショートステイ:月1~2回利用で、1回約4,000円
月額合計:約26,000円~30,000円
児童養護施設への入所にかかる費用

児童養護施設への入所には、世帯の所得に応じて費用が発生します。ここでは、短期利用と長期入所それぞれの費用について詳しく解説します。
短期利用(ショートステイ)の費用
所得別の利用料金
短期利用の料金は、住民税の課税状況により決まります。自治体によって金額が異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 階層 | 世帯区分 | 1日あたりの料金 |
|---|---|---|
| A階層 | 生活保護世帯 | 0円 |
| B階層 | 住民税非課税世帯 | 0円~1,000円 |
| C階層 | 住民税均等割のみ課税世帯 | 1,000円~2,000円 |
| D階層 | 住民税所得割課税世帯 (所得割額が低い) | 2,000円~4,000円 |
| E階層 | 住民税所得割課税世帯 (所得割額が高い) | 4,000円~6,000円 |
※ひとり親世帯の場合、減額措置がある自治体もあります
1週間利用した場合の費用例
6泊7日利用した場合の費用シミュレーション
| 世帯区分 | 1日の料金 | 7日間の合計 |
|---|---|---|
| 生活保護世帯 | 0円 | 0円 |
| 住民税非課税世帯 | 0~1,000円 | 0円~7,000円 |
| 年収300万円程度 | 2,000円 | 14,000円 |
| 年収500万円程度 | 4,000円 | 28,000円 |
| 年収700万円以上 | 6,000円 | 42,000円 |
追加費用:
- 送迎サービス:500円~1,000円(片道)※利用する場合のみ
- 食費・日用品費:利用料に含まれる
長期入所の費用
費用負担の基本的な仕組み
長期入所の場合、費用は前年の所得税額により決定されます。児童福祉法に基づく「児童福祉施設等措置費徴収金」として、保護者から徴収されます。
費用徴収の基本ルール
- 費用は前年の所得税額により階層区分が決まる
- 毎年4月に再計算される(4~6月は前々年の所得税で計算)
- 同一世帯から2人以上入所している場合、2人目以降は減額される
- ひとり親世帯は一般世帯より低額に設定されている
所得別の費用シミュレーション
以下は、神奈川県横須賀市の徴収基準を参考にしたシミュレーションです。自治体により金額は異なりますので、詳細はお住まいの児童相談所にお問い合わせください。
年収300万円の場合
年収300万円世帯(夫婦・子1人)
所得税額:年間約54,700円(月額約4,558円)
階層区分:D1~D2階層
月額負担金:約15,000円~18,000円
年間負担額:約180,000円~216,000円
年収500万円の場合
年収500万円世帯(夫婦・子1人)
所得税額:年間約214,000円(月額約17,833円)
階層区分:D5~D6階層
月額負担金:約21,800円~24,000円
年間負担額:約261,600円~288,000円
ひとり親世帯の場合(年収別)
| 年収 | 所得税額(年間) | 月額負担金(目安) |
|---|---|---|
| 200万円 | 0円 | 0円 |
| 300万円 | 約20,000円 | 約10,000円 |
| 400万円 | 約84,000円 | 約15,000円 |
| 500万円 | 約164,000円 | 約21,800円 |
※ひとり親世帯は、寡婦(夫)控除等により所得税額が低くなるため、負担金も低額になります。
出典:児童養護施設の入所費用は毎月どのくらいかかる?(児童養護施設ナビ)
費用が免除・減額される条件
費用が免除される世帯
- 生活保護世帯:全額免除
- 住民税非課税世帯(所得税0円):全額免除
- 中国残留邦人等支援給付受給世帯:全額免除
費用が減額される場合
- ひとり親世帯:一般世帯より低額な基準が適用される
- 障害児がいる世帯:減額措置がある場合がある
- 複数の子どもが入所している場合:2人目以降は徴収金額の10%に減額
自治体独自の助成制度
一部の自治体では、入所費用の一部または全額を助成する制度を設けています。
助成制度の例(千葉県船橋市)
船橋市児童福祉施設入所費用等助成制度
- 児童養護施設等に入所している児童の保護者に対し、措置費負担金の一部または全額を助成
- 対象:船橋市に住所を有する保護者
- 申請:措置費負担金を支払った後、1年以内に申請
参考:船橋市公式サイト
お住まいの自治体に同様の制度があるか、児童相談所または市区町村の児童福祉担当課にお問い合わせください。
児童手当の扱いについて
子どもが児童養護施設に入所している場合、児童手当は施設に支給されます。
費用が支払えない場合の対応
経済的な理由で費用の支払いが困難な場合は、以下の対応があります。
支払いが困難な場合の対応
- 児童相談所に相談まずは担当の児童福祉司に相談してください。分割払いなどの相談に応じてくれる場合があります。
- 生活保護の申請生活保護を受給している世帯は、費用が全額免除されます。経済的に困窮している場合は、生活保護の申請を検討してください。
- 自治体の助成制度の利用前述の通り、自治体独自の助成制度がある場合があります。
- 社会福祉協議会への相談生活資金の貸付制度などを利用できる場合があります。
【相談窓口一覧】どこに相談すればいい?
児童養護施設への入所を検討している方、子育てに悩んでいる方が相談できる窓口を、緊急度別にご紹介します。
緊急度が高い場合の連絡先(24時間対応)
今すぐ危険が迫っている、子どもの安全が確保できないという場合は、迷わずこれらの窓口に連絡してください。
児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」
189番の詳細
電話番号:189(いちはやく)
対応時間:24時間365日
通話料:無料
つながる先:お近くの児童相談所
対応内容:
- 児童虐待の通告・相談
- 緊急保護が必要な場合の対応
- 子どもの安全確認
ポイント:
- 匿名での通告・相談が可能
- 通告・相談をした人の秘密は守られます
- 虐待かどうか確信が持てなくても、「おかしいな」と思ったら連絡してOK
警察「110」
110番
電話番号:110
対応時間:24時間365日
以下のような場合は110番に通報:
- 子どもが暴力を受けている現場を目撃した
- 子どもの命に危険が迫っている
- 家庭内暴力(DV)が発生している
- すぐに警察の介入が必要な状況
児童相談所の夜間・休日対応
各児童相談所では、夜間・休日も緊急の相談・通告に対応しています。
- 平日夜間(17時45分以降)
- 土曜日・日曜日・祝日
- 年末年始
上記の時間帯は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に電話すると、当直職員が対応します。
通常の相談窓口(平日日中)
緊急性は高くないものの、じっくり相談したい場合は、以下の窓口を利用してください。
児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783」
児童相談所相談専用ダイヤル
電話番号:0120-189-783(いちはやく・おなやみを)
対応時間:都道府県により異なる(多くは平日9時~17時)
通話料:無料
つながる先:お近くの児童相談所
相談内容:
- 育児の悩み
- 子どもの発達や行動の相談
- 児童養護施設への入所相談
- 里親に関する相談
- その他、子どもの福祉に関する相談
お住まいの地域の児童相談所の探し方
全国の児童相談所の所在地と電話番号は、こども家庭庁のウェブサイトで確認できます。
直接訪問する場合は、事前に電話で予約することをおすすめします。
市区町村の子育て支援窓口
お住まいの市区町村にも、子育てに関する相談窓口があります。
市区町村の主な窓口
- 子ども家庭支援センター
- 子育て支援課
- 児童福祉課
- こども家庭課
- 保健センター(保健師による相談)
※自治体により名称が異なります
対応内容:
- 子育て短期支援事業(ショートステイ)の申込
- 各種手当・助成制度の案内
- 子育て支援サービスの紹介
- 育児相談
- 必要に応じて児童相談所への橋渡し
その他の相談先
24時間子供SOSダイヤル
24時間子供SOSダイヤル
電話番号:0120-0-78310(なやみいおう)
対応時間:24時間365日
通話料:無料
対象:
- 子ども本人からの相談
- 保護者からの相談
相談内容:
- いじめ
- その他の子どものSOS全般
参考:文部科学省
子どもの人権110番
子どもの人権110番
電話番号:0120-007-110
対応時間:平日8:30~17:15(土日祝・年末年始は休み)
通話料:無料
相談内容:
- いじめ
- 虐待
- その他、子どもの人権問題に関する相談
参考:法務省人権擁護局
民生委員・児童委員
お住まいの地域には、民生委員・児童委員という相談役がいます。
民生委員・児童委員とは
児童福祉法に基づき、市町村に配置されている民間の奉仕者です。担当区域内の児童の生活および環境の状況を把握し、相談・指導を通じて児童の福祉向上に努めています。
相談できる内容:
- 子育ての悩み
- 経済的な困りごと
- 地域の福祉サービスの紹介
- 児童相談所への橋渡し
連絡先の確認方法:
お住まいの市区町村の福祉課に問い合わせると、担当の民生委員・児童委員を紹介してもらえます。
児童養護施設以外の子どもの預け先・支援サービス
児童養護施設以外にも、子どもを一時的に預けたり、子育てを支援してもらえるサービスがあります。状況に応じて、これらのサービスを組み合わせて利用することもできます。
すぐに利用できる可能性のあるサービス
以下のサービスは、比較的短期間で利用開始できる可能性があります。
| サービス名 | 登録から利用まで | 主な利用目的 |
|---|---|---|
| ファミリー・サポート・センター | 1~2週間 | 保育園の送迎、短時間の預かり |
| 一時預かり事業 | 即日~数日 | 数時間~1日の預かり |
| 病児・病後児保育 | 即日~数日 | 子どもが病気の時の預かり |
| 地域子育て支援拠点 | 即日 | 親子で遊べる場所、相談 |
ファミリー・サポート・センター
サービス内容と特徴
ファミリー・サポート・センターは、地域で子育てを支え合う会員制の相互援助活動です。
ファミリー・サポート・センターの仕組み
援助を受けたい人(依頼会員)と援助を行いたい人(提供会員)をセンターがマッチングします。
主なサービス内容:
- 保育園・幼稚園・学童保育への送迎
- 保育施設の開始前・終了後の預かり
- 保護者の外出時の預かり
- 軽度の病気の子どもの預かり(自治体による)
特徴:
- 地域の人による支援
- 比較的柔軟に対応してもらえる
- 料金が手頃
- 子どもが地域の人と交流できる
利用方法と料金
ファミサポ利用の流れ
- STEP1会員登録
お住まいの市区町村のファミリー・サポート・センターに連絡し、依頼会員として登録します。
必要なもの:身分証明書、印鑑など
- STEP2提供会員とのマッチング
センターが、依頼内容に合った提供会員を紹介してくれます。
- STEP3事前打ち合わせ
提供会員と顔合わせし、子どもの様子、預かりの詳細などを打ち合わせます。
- STEP4利用開始
援助を依頼したいときに、提供会員に連絡して利用します。
料金の目安:
| 時間帯 | 料金(1時間あたり) |
|---|---|
| 平日7:00~19:00 | 600円~800円 |
| 上記以外(早朝・夜間・休日) | 800円~1,000円 |
※自治体により異なります
お近くのファミリー・サポート・センターを探す:
→ 市区町村のホームページで「ファミリー・サポート・センター」と検索するか、子育て支援課にお問い合わせください
一時預かり事業(保育所・幼稚園等)
保育所や幼稚園、認定こども園などで、一時的に子どもを預かるサービスです。
一時預かり事業の特徴
利用できる理由:
- 保護者の就労、職業訓練、就学
- 疾病、災害、事故、出産、看護、介護
- 冠婚葬祭
- 育児疲れのリフレッシュ
対象年齢:生後6か月~就学前(施設により異なる)
利用時間:原則として8:30~17:00(施設により異なる)
料金:1日2,000円~3,000円程度、半日1,000円~1,500円程度
利用方法:利用したい施設に直接申し込む
里親制度・ファミリーホーム
児童養護施設以外の選択肢として、里親に委託される場合もあります。
里親制度とは
様々な事情により家庭で暮らせない子どもを、自分の家庭に迎え入れて養育する制度です。
里親の種類:
- 養育里親:一定期間、子どもを預かる(数か月~数年)
- 専門里親:虐待を受けた子ども、障がいのある子どもを預かる
- 養子縁組里親:養子縁組を前提に預かる
- 親族里親:祖父母などの親族が預かる
ファミリーホームとは:
里親経験のある夫婦などが、5~6人の子どもを家庭的な環境で養育する「小規模住居型児童養育事業」です。
メリット:
- 家庭的な環境で生活できる
- 少人数のため、きめ細かいケアを受けられる
- 施設より家庭に近い生活ができる
詳しくは児童相談所にお問い合わせください。
地域子育て支援拠点・子育てひろば
親子で遊べる場所として、地域子育て支援拠点や子育てひろばがあります。
地域子育て支援拠点でできること
- 親子の交流:他の親子と遊んだり、おしゃべりしたりできる
- 子育て相談:保育士などの専門スタッフに相談できる
- 情報提供:地域の子育て情報を得られる
- 講座・イベント:子育て講座や親子イベントに参加できる
利用料:基本的に無料(イベントによっては材料費等が必要)
対象:主に0~3歳の親子
予約:不要な施設が多い
お近くの施設は、市区町村のホームページや子育て支援課で確認できます。
病児・病後児保育
子どもが病気の時に預かってくれる病児・病後児保育もあります。
病児・病後児保育とは
子どもが病気の時、または病気の回復期で集団保育が困難な時に、病児保育施設や保育所の専用スペースで預かるサービスです。
対象:
- 生後6か月~小学6年生程度(施設により異なる)
- 発熱、風邪、感染症(軽症)など
料金:1日2,000円~2,500円程度
利用方法:
- 事前に利用登録(年度ごと)
- 利用したい日の前日または当日に予約
- 当日、医師の診断書(または連絡票)を持参
※施設の空き状況により利用できない場合があります
よくある質問(Q&A)
Q1: 預けたいと思ったらすぐに入所できますか?
A1
緊急保護が必要な場合を除き、すぐには入所できません。
短期利用(ショートステイ):申込から利用まで3日~1週間程度かかります。
長期入所:家庭状況の調査、心理判定、援助方針会議などを経るため、相談から入所まで通常1~3か月程度かかります。
緊急保護:子どもの生命や安全に危険が迫っている場合は、即日~数日で一時保護されます。
時間がかかることを前提に、早めに相談することをおすすめします。
Q2: すぐに子どもを預けないと生活が成り立ちません。どうすればいいですか?
A2
今すぐ危険な状況であれば、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」または警察「110」に連絡してください。
緊急性が高いと判断されれば、児童相談所が一時保護などの措置を取ります。
また、長期入所の措置が決まるまでの間、以下のサービスを組み合わせて利用できる場合があります:
- 子育て短期支援事業(ショートステイ)
- ファミリー・サポート・センター
- 一時預かり事業
- 生活保護や他の福祉サービス
児童相談所の担当者と相談しながら、適切な支援を受けましょう。
Q3: 施設に預けている間、子どもと面会できますか?
A3
はい、原則として面会できます。
児童養護施設では、保護者と子どもの関係を維持することを重視しています。定期的な面会や外出、外泊などが奨励されます。
面会の頻度:
- 週末や祝日に施設を訪問
- 外出や外泊(施設の許可が必要)
- 学校行事への参加
ただし、以下の場合は面会が制限されることがあります:
- 虐待により入所した場合(子どもの安全のため)
- 保護者の面会が子どもに悪影響を与えると判断された場合
- 裁判所の決定により面会が制限されている場合
面会のルールは、児童相談所と施設が個別に決定します。
Q4: 費用が払えない場合はどうなりますか?
A4
まず、児童相談所の担当者に相談してください。
費用が免除される場合:
- 生活保護世帯
- 住民税非課税世帯(所得税0円)
支払いが困難な場合の対応:
- 分割払いの相談
- 生活保護の申請
- 自治体の助成制度の利用
- 社会福祉協議会の貸付制度
費用未払いが続くと法的措置が取られることもありますので、放置せず早めに相談することが大切です。
Q5: 一度預けたら引き取れなくなりますか?
A5
いいえ、そのようなことはありません。
児童養護施設への入所は、家庭復帰を目指すことが前提です。保護者の生活が安定し、適切な養育ができる状況になれば、子どもは家庭に戻ることができます。
家庭復帰に向けて:
- 児童相談所が保護者を継続的に支援します
- 段階的に家庭での生活時間を増やします(外泊の頻度を増やすなど)
- 家庭環境が整ったと判断されれば、措置解除となります
家庭復帰後も、児童相談所の定期的な見守りや相談support
が継続されます。
Q6: 虐待を受けている子どもを知人から預かりたいのですが、私が施設に預けることはできますか?
A6
一般の方が直接施設に預けることはできません。
虐待が疑われる場合は、まず児童相談所に通告してください。
連絡先:
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
- お近くの児童相談所
児童相談所が調査を行い、必要に応じて一時保護や施設入所などの措置を取ります。
もしあなたがその子どもを預かりたい場合:
「親族里親」または「養育里親」として登録し、児童相談所から委託を受けることができる場合があります。詳しくは児童相談所にご相談ください。
Q7: 子どもが施設に入所することを拒否しています。どうすればいいですか?
A7
子どもの気持ちを尊重しながら、丁寧に説明することが大切です。
子どもが不安に思うこと:
- 親と離れることへの不安
- 新しい環境への恐怖
- 「捨てられた」と感じる
- 友達や学校と離れることへの抵抗
対応のポイント:
- 理由を説明する:なぜ一時的に離れる必要があるのか、年齢に応じて説明する
- 一時的なものであることを伝える:ずっと離れるわけではないことを強調
- 面会できることを約束する:定期的に会えることを伝える
- 学校を継続できることを説明:可能であれば、同じ学校に通えることを伝える
- 施設を事前に見学:不安を軽減するため、施設を一緒に見学する
児童相談所の児童心理司が、子どもの心のケアや説明のサポートをしてくれます。
Q8: 匿名で相談することはできますか?
A8
はい、匿名での相談も可能です。
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」や児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783」では、匿名での相談・通告を受け付けています。
相談内容の秘密は守られますので、安心してご相談ください。
ただし、実際に支援サービスを利用する段階では、本人確認や家庭状況の調査が必要になります。
Q9: 短期利用(ショートステイ)は何回でも利用できますか?
A9
自治体により利用回数や日数の上限が設けられている場合があります。
一般的な制限:
- 1回の利用は原則7日以内
- 月あたりの利用日数制限(例:月14日以内)
- 年間の利用回数制限がある場合も
ただし、やむを得ない事情がある場合は、最長2か月程度まで延長できることもあります。
繰り返し利用することで育児負担を軽減し、虐待やネグレクトを予防することが制度の目的の一つですので、必要に応じて積極的に利用してください。
詳しくは、お住まいの市区町村の子育て支援担当課にお問い合わせください。
Q10: 相談したら必ず施設に預けないといけませんか?
A10
いいえ、相談したからといって必ず施設に預けることになるわけではありません。
児童相談所は、家庭で暮らし続けることを第一に考えます。相談の結果、以下のような対応になることもあります:
- 在宅支援:家庭で暮らしながら、必要な支援サービスを利用する
- 地域の支援サービスの紹介:ファミサポ、ショートステイ、一時預かりなど
- 経済的支援:生活保護、各種手当の申請support
- 親族による支援:祖父母などの協力を得る
- 定期的な見守り:児童福祉司が定期的に訪問して様子を確認
施設入所は、他の方法では子どもの安全や福祉を守れない場合の最終手段です。
まずは気軽に相談してみてください。相談することで、様々な支援の選択肢が見えてきます。
まとめ:一人で悩まず、早めの相談を
この記事の重要ポイント
記事のまとめ
- すぐには預けられない緊急保護以外は、相談から入所まで通常1~3か月かかります。早めの相談が大切です。
- 緊急時は189または110に今すぐ危険が迫っている場合は、迷わず「189(いちはやく)」または「110」に連絡してください。
- 短期利用と長期入所は手続きが異なる預けたい期間により、利用する制度が変わります。自分の状況に合った制度を選びましょう。
- 費用は所得に応じて決まる生活保護世帯や低所得世帯は、費用が免除または減額されます。費用が心配な場合も、まず相談を。
- 施設入所以外の選択肢もあるファミサポ、ショートステイ、一時預かりなど、複数の支援を組み合わせることで、家庭で暮らし続けられる場合もあります。
- 相談しても必ず預けることにはならない児童相談所は、まず家庭で暮らし続ける方法を一緒に考えます。相談することで、様々な支援につながります。
状況別:今すぐできるアクション
緊急度が高い場合(今すぐ危険)
すぐに連絡を:
- 189(いちはやく) – 児童相談所虐待対応ダイヤル
- 110 – 警察
24時間365日対応・通話料無料
時間的余裕がある場合(計画的な相談)
1. 児童相談所に相談
- 児童相談所相談専用ダイヤル:0120-189-783
- お近くの児童相談所
2. 市区町村の子育て支援課に相談
- 短期利用(ショートステイ)の申込
- 各種支援サービスの紹介
3. 複数の支援サービスを検討
- ファミリー・サポート・センター
- 一時預かり事業
- 病児・病後児保育
どうすればいいか分からない場合
とにかくまず相談を:
「こんなことで相談していいのかな…」と思わず、まずは電話してみてください。
- 児童相談所相談専用ダイヤル:0120-189-783
- 市区町村の子育て支援課
- 民生委員・児童委員
相談することで、あなたの状況に合った支援が見つかります。
相談することは子どもを守る第一歩です
「児童養護施設に預けたい」と思うこと、相談することは、決して恥ずかしいことではありません。
それどころか、「子どものために何とかしたい」という責任感の表れです。一人で抱え込んで限界を超えてしまう前に、支援を求めることは、子どもを守るための勇気ある行動です。
日本には、困っている親子を支える制度やサービスがたくさんあります。でも、その多くは「相談する」という一歩を踏み出さなければ、利用できません。
今日、この瞬間から、あなたは一人ではありません。
児童相談所、市区町村の子育て支援担当、ファミリー・サポート・センター、地域の支援者たち――多くの人があなたと子どもを支えるために待っています。
まずは電話を手に取って、「困っています」「助けてください」と伝えてみてください。その一言が、あなたと子どもの未来を変える第一歩になります。
主な相談窓口(再掲)
| 窓口 | 電話番号 | 対応時間 |
|---|---|---|
| 児童相談所虐待対応ダイヤル | 189(いちはやく) | 24時間365日 |
| 警察 | 110 | 24時間365日 |
| 児童相談所相談専用ダイヤル | 0120-189-783 | 平日9時~17時 (自治体により異なる) |
| 24時間子供SOSダイヤル | 0120-0-78310 | 24時間365日 |
| 子どもの人権110番 | 0120-007-110 | 平日8:30~17:15 |
あなたと子どもに、必要な支援が届きますように。

